就活の面接で「最近気になるニュースはありますか?」と質問されることがあります。いきなり聞かれるさすがに良い答えを出すのは難しいですよね。面接官の意図を的確に察して、自己PRや志望動機の強化につなげるためには、事前の準備が必要です。今回は、面接で「気になるニュースは?」と聞かれたときの対応方法とコツを、例文を交えて説明します。
ページ内容
なぜ面接で「気になるニュース」を聞いてくるの?
そもそも、なぜ気になるニュースなどの内容を質問にしているのでしょう。面接官には次のような意図があります。
自分の考えはあるか
気になるニュースを聞かれた場合、そのニュースに対する自分の考えも問われます。つまり、物事に対して自分の考えを持っているか? です。社会人になって仕事をするようになると「きみはどう思う?」と聞かれることが常に発生してきます。
学生時代は先生のいう事を聞いて学習内容を身につけることが重要だったかもしれませんが、会社では指示命令を受けて仕事をするだけではだめで、自分の考えを持つことを求められます。つまり主体性を問われているわけです。
志望動機は本物かチェック
もう一つの意図として、入社に対する本気度もチェックされます。その企業の所属する業界に関心があれば、当然業界のトピックス的なニュースは知っているはずです。逆に知らなければ志望度の低さがはっきりします。
世の中の動きに関心が有るか
ビジネスマンたるもの政治、経済などの世の中の基本的な動きを知っていなければなりません。
会社の業績は世の中の流れと密接にかかわっています。その世の中の流れを掴むことは、社員にも求められます。普段から世の中にアンテナを張っているかどうかをチェックされます。
どんなニュースがおすすめ?
でも、ニュースってたくさんありますよね。政治、経済、社会、事件、スポーツさまざまです。では一体、どのようなニュースをチョイスして話をすれば良いのでしょうか? 迷いますよね。
志望している業界や職種に関するニュース
先ずは志望企業の業界ニュースがおすすめです。その業界自体の動向、その業界に対する法律の規制、新製品、新しいビジネスモデルなどはしっかりチェックしておきましょう。本当にその業界に興味があることをしめし、志望動機がより迫力のあるものになります。
自分の考えがきちんと言えるニュース
質問に答える場合のニュースの種類は、志望企業の業界に関するニュースが最適です。しかし、知らないことは話しようがありません。次に話すべきは、一般的な政治・経済や国際的な話題、専攻している学部やゼミに関するニュースがおすすめです。ポイントとしては、自分でそのニュースに関する考えが出せるものという事になります。
どんなニュースはNG?
自分の考えが出せるもの・・・といっても何でも語れば良いわけではありません。ニュースのテーマによっては敏感なものもありますので注意が必要です。
政党、宗教、思想に関するもの
一般的な政治状況等のニュースは問題ないですが、政党に関する話題は避けましょう。面接官がもし、特定の政党を支持していて、その政党を批判するようなニュースを取り上げた場合、不利に作用することがあります。
宗教や主義思想に関する話題も同様です。自分の信じている宗教や思想を批判されたりすると、良い気持ちはしません。個人の考えや嗜好が分かれるニューステーマは控えたほうが良いでしょう。
芸能やスポーツニュース
趣味を聞いている場合は別ですが、仕事の面接に来ています。そもそも目的が違いますし、芸能ネタを詳しく、自分の考えを述べられても、会社としては特段に評価することはありません。
説明が困難でマニアックなもの
志望企業や業界に関する専門的なニュースでも構いませんが、自分で説明できなくては意味がありませんし、面接官も理解しないかもしれません。
おすすめの情報源は?
日経新聞
やはりベーシックに必要なのが日経新聞です。多くの企業や業界の動きを取り上げています。使い方としては、見出しを流し読みして必要な記事をピックアップします。時間がある場合はリード文、本文と読み続けます。時間が無い場合は、切り抜きして保存しておきましょう。切り抜いた記事には発行日をメモして就活用のノートにスクラップしておき、時間があるときにチェックしておきましょう。
日経新聞は電子版も有効です。紙の新聞より割高ですが、データであるため検索でき、特定の業界や企業に関するニュースを日付順に調べることが出来ます。
日経MJ新聞
小売・卸・サービス産業の動向や消費者のトレンドを掴むのに有効な新聞です。カラー刷りで見やすく、読み物としても続けやすい新聞です。発行日は月水金のため、毎日続けるのは辛い就活生にはおすすめです。
日刊工業新聞
メーカーを中心として、業界の動向、新技術、新製品の情報を提供しています。技術者やメーカーを希望している人は、要チェックの業界新聞です。
業界紙(業界誌)
業界紙(業界誌)自体は契約すれば購読できます。一部の業界では図書館で閲覧できます。業界ごとに「〇〇協会」などといった団体を設立しており、そのホームページの中で業界ニュースを見ることも出来ます。
応答のおすすめパターン
では、面接で「最近気になるニュースは何ですか?」と聞かれたときの答え方を具体的に追っていきましょう。
ニュースのことを聞かれたからといって、ニュースの内容をだらだらと話しても意味がありません。面接官はニュースに対するあなたの考えを聞こうとしています。
応答のパターンとしては、「結論」「選んだ理由」「自分の考え」というステップで回答します。ステップを意識して回答すると、簡潔に自分の考えを伝えることが出来、好印象が生まれます。
例文を使った回答のポイント
今回は自動車メーカーの総合職を目指している就活生のサンプル回答を見て行きましょう。
最近気になっているニュースは、電気自動車が過疎地域から需要が伸びそうだという経済新聞の記事です。
気になるニュースを質問されたときの例文
エコカーには、電気自動車や燃料電池車、ハイブリットカーがあると思いますが、私は自動車メーカーに勤めたいと思っていますから、メーカー各社が今後エコカーをどんな配分で強化しようとしているのかに興味があります。
地方では過疎化の影響により、ガソリンスタンドが廃業に追い込まれています。電気自動車は充電スタンドの普及や走行距離の短さから、まだまだ普及が難しいのではと考えていましたが、簡単な工事により自宅で安い夜間の電気で充電すれば、経済的です。電気自動車も一気に普及しそうな予感があります。
過疎化した地域では、製品を普及させていくのは難しいものだと考えていましたが、その地域のマイナスの状況も、見方を変えれば、電気自動車のようにチャンスにもなるのだということが分かり、非常に勉強になりました。
結論
まずは、自分の志望企業や業界の記事を選び、完結に述べます。「日本経済新聞」と出展を述べることで、普段から情報収集に新聞を読んでいることをアピールします。「ネットのニュース」「テレビのニュース」でというよりも、専門的な経済番組を除いて、新聞の方が心象が良い傾向があります。
最近気になっているニュースは、電気自動車が過疎地域から需要が伸びそうだという日本経済新聞の記事です。
理由
どのような理由で、このニュースを選んだのか明確に述べましょう。
エコカーには、電気自動車や燃料電池車、ハイブリットカーがあると思いますが、私は自動車メーカーに勤めたいと思っていますから、メーカー各社が今後エコカーをどんな配分で強化しようとしているのかに興味があります。
自分の主張
ニュースから発想した自分の考えを述べましょう。ここが大切です。
地方では過疎化の影響により、ガソリンスタンドが廃業に追い込まれています。電気自動車は充電スタンドの普及や走行距離の短さから、まだまだ普及が難しいのではと考えていましたが、簡単な工事により自宅で安い夜間の電気で充電すれば、経済的です。電気自動車も一気に普及しそうな予感があります。
過疎化した地域では、製品を普及させていくのは難しいものだと考えていましたが、その地域のマイナスの状況も、見方を変えれば、電気自動車のようにチャンスにもなるのだということが分かり、非常に勉強になりました。
面接で「気になるニュース」を聞かれた時のまとめ
面接で良く聞かれる「気になるニュース」に対する質問対策を、例文を交えてみてきましたが、いかがだったでしょうか?
志望動機や自己PRなど、就活の質問対策はかなりノウハウが普及し、就活生の実力が判別しにくくなっていますが、「気になるニュース」では、実際にニュースに触れないことには発言しにくいテーマです。
実際に業界やその企業のニュースをチェックしておくことはもちろん必要ですが、それだけでなく、結論→理由→自分の考えのステップを使って、スムーズに面接官に主張しましょう。簡潔で明確な応答は、あなたを内定へ近づけていくことでしょう。
■面接で良く出る質問集、面接官の意図を理解し、適切にアピールする方法を例文付で解説(まとめ)